川辺

心の底を、流れる川で、
昨日は指を切ってあげた。

山は、あたたかいが、黒い。
しびれるような懐かしさは、ここでは
青い、青くて、くるまっている。

ギターは静かな楽器です、が
やや胴などは確かすぎるので、
譜面台には鉛筆で愛情の、
こぼれた文字が書き連ねられて。

流れる川の、すぐそばで、
私はなかなか歌い出さない。
あなたも物を言わない。
ギターもやや確かすぎるので。

弦を撫でると指を切ってあげた。

心の底の指先で、
血は、赤く、黒く、
溜め息のように静かに鳴った。